
食べ物は人間のいのちを根底から支えるかけがいのない贈り物―。
このことを伝えたくて、映画「いのち耕す人々」を作りました。
映画の舞台となった山形県東置賜郡高畠町には、32年も前から、安全で美味しく、
健康によい作物作りにこだわって、有機農業を営んできた農家の人たちが暮らしています。

その中心人物は農民詩人の星寛治さん(70歳)。星さんは16年間も町の教育委員長を務め、
高畠町の全小・中・高等学校で食農教育を行っていました。
その動きは町の教育にとどまりません。毎年、都会から大勢の中・高・大学生や市民が高畠町を訪れ、
農家に泊り込みながら、農業を体験していきます。
多くの日本の若者たちが高畠から「食」の大切さを学んでいます。
農家と一緒に、野良で汗を流しながら、作物を育てる一端に触れた都会の若者たちは、
皆、食べ物に対する考え方を変えていきます。それまでお金さえだせば簡単に手に入る
と思っていた野菜や果物が、もっと価値のある宝物だと思うようになるのです。
その見事な若者たちの変貌ぶり―。
映画は若者たちの成長をじっくりと捉えていきます。

今や食の大切さを軽んじられ、健全な食生活が失われつつあります。
そんな今・・・この映画では徹底して、食糧の生産現場を見つめることで
「食」の大切さを訴えます。
○農家の人たちが早朝から日が暮れるまで、丹念に世話をし、時には自然の
猛威と闘いながら、厳しい労働を厭わずに、納得のいく作物を育てる―。
○汗と埃にまみれながらも、美味しくて健康を支える作物作りに誇りを持つ農家の人たちの笑顔―。
彼らは自然との対話を大切にしながら、人間の生命を根底から支える食糧の生産に
勤しんでいるのです。
○そんな魅力的な農民たちとの出会いを人生の貴重な宝物として心に刻む 都会の若者たち―。
都会から訪れる若者たちを、農家の女性たちは心尽くしの手料理でもてなします。
地元の食材を使った見事な郷土料理の数々に舌鼓を打つ都会の若者たちは、
日本の食文化の豊かさをも実感します。

農家と都市住民との交流を通じて、「食」の大切さを伝える映画―。
この映画を観る人たちは、そんな人間的な交流を通じて、「食」の大切さをしみじみと
感じていくことでしょう。
いのちといのちの響き合い、美しい農村の風景と一体となった、ゆったりとした生活のリズム。
土を耕し、いのちを育てる農業の営みが、農民の魂を育て、都会の人たちの心も耕す、
映画の題名「いのち耕す人々」にはそんな想いを込めています。
それはとりもなおさず、食品の品質や安全性への正しい知識や情報を得るヒントとなり、
また、日本の農業の大切さへの理解を深めることになるのです。
この映画を通じて、食べ物の大切さに思いを馳せてみませんか。
未来を担う若者たちに「食」の大切さを伝えませんか。
私たちは映画「いのち耕す人々」を20年かけて心を込めて制作しました。
ひとりでも多くの方に観ていただきたい、共鳴していただける方々と手を携えて、
上映の輪を広げていきたい、と願っております。